COLUMN
コラム
2026年 新年のご挨拶
謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
株式会社フローワークス 代表取締役CEOの横関 浩です。
旧年中は、私たちの取り組みに多大なるご支援・ご協力を賜り、誠にありがとうございました。
設計者の皆さま、経営者の皆さま、国・行政の皆さま、教育機関の皆さま、
そして日々のプロジェクトをともに支えてくださるパートナーの皆さまへ、心より御礼申し上げます。
2025年を振り返って ― 「現場の負担を減らし、価値を増やす」一年
2025年は、建築・建設に関わる皆さまにとって、“変化が当たり前になる一年”だったと感じています。
省エネ対応、GX、DX、働き方改革、人材不足。どれも先送りできないテーマが一気に現場へ押し寄せ、設計も、審査も、発注者側の意思決定も、今まで以上に大変になりました。そのような中でフローワークスは、「BIMを誰もが簡単に」という旗を掲げながら、“デジタル設計インフラ”を少しずつ現場に馴染ませることに注力してきました。
昨年の主なトピックを、簡単に振り返ります。
- 環境性能を“設計の流れの中”に
Vectorworks上で、BEI・WLC・LCAといった環境性能指標を設計段階から扱える「LCA算出パック2025」を提供し、さらに対応範囲の拡充も進めました。「環境配慮は大切だけれど、作業が重い」という現場の声に、少しでも応えたい一心でした。 - 導入のハードルを下げる標準化
「建築BIM標準パッケージ for Vectorworks」2025正式版の提供開始をはじめ、テンプレートやワークフロー、ヘルプまで含めて“迷わないBIM”の形を整えてきました。さらに、確認申請に関わる面積計算や採光・換気・排煙の集計といった、ミスが許されない業務を支える機能拡張も進めています。 - 学びを“現場で使える武器”に
個人のスキルアップに焦点を当てた「BIM講習」を立ち上げ、学び直しの入口を広げました。BIMは、導入した瞬間に成果が出る道具ではありません。だからこそ、学ぶ人を真ん中に置き続けたいと思っています。 - 制度変化に向けた対話の場づくり
2026年のBIM活用加速を見据え、「BIM CAMP 2025」などを通じて、経営層と実務者が同じ地図を持つための機会づくりにも取り組みました。 - 技術を磨き、守り、次へつなぐ
私たちが積み上げてきた“ワークフロー・テンプレート・リソースを統合運用する仕組み”について、特許取得という形で一つの節目を迎えることができました。これはゴールではなく、次の挑戦に向けたスタートラインだと受け止めています。
そして何より、講習や導入支援、記事やイベントを通じて、数多くの声を聞かせていただいた一年でした。
「BIMをやらなきゃいけないのは分かっている。でも、日々が忙しい」
「社内で統一したい。でも、現場には現場の事情がある」
「環境性能も、確認申請も、やることが増えて息が切れそう」
その一つひとつが、私たちの開発と支援の出発点になっています。
2026年 ― “BIMが社会の共通言語になる”年に
2026年4月、建築確認の世界でも「BIM図面審査」が始まります。
これは、単に「BIMが必要になる」という話ではなく、
設計・審査・発注・教育・維持管理まで、関係者の間で情報をつなぐ前提が整っていくということだと捉えています。
同時に、こうした変化は現場に新たな負担も生みます。
だからこそ私たちは2026年、次の3つを軸に“インフラづくり”を進めていきます。
確認申請、面積・採光・換気の集計、省エネ、そしてLCA。
本来は設計の価値を高めるための活動が、転記や二重入力、チェック地獄になってしまう瞬間があります。
私たちは、こうした作業をできる限り“設計の画面の中”で完結させ、
設計者が創造に集中できる時間を増やすことにこだわります。
BIMの本質は、道具を一つに揃えることではなく、必要な情報が必要な人へ、無理なく届くことだと考えています。
VectorworksとRevitのように、ツールそれぞれの強みを活かしながら連携していく発想も含め
「どう組み合わせて、どう流すか」を支える仕組みを磨きます。
制度が先に進むほど、人材育成は待ったなしになります。
設計者だけでなく、行政・審査側、発注者側、教育側にも、共通の理解と言語が必要です。
私たちは、講習や教材、テンプレートの提供を通じて、学びを現場の力に変える橋渡しを続けます。
また、こうした取り組みをより加速させるために、大学・公設試等との連携による
研究開発を支援する新たな枠組みも視野に入れながら、“現場課題を研究開発で解く”動きを強めていきたいと考えています。
一社では越えにくい壁を、産学官で越えていく。そこに、これからの建築DX/GXの現実解があると信じています。
すべての関係者の皆さまへ
設計者の皆さまへ。
毎日、時間と責任のはざまで、最善の判断を積み重ねていることに、心から敬意を表します。
フローワークスは、設計の“足かせ”を減らし、可能性を広げる道具を作り続けます。
経営者の皆さまへ。
DXは投資であり、組織変革であり、ときに痛みも伴います。
だからこそ、現場が挫折しない形で、成果につながる道筋を一緒に描きたいと思っています。
国・行政・審査に携わる皆さまへ。
制度の整備と運用の現場には、見えにくい苦労があることを承知しています。
私たちは、現場の声を丁寧に拾いながら、円滑な移行と品質向上に資する“実装側の工夫”で貢献してまいります。
教育機関の皆さまへ。
これから設計を学ぶ人たちにとって、BIMや環境性能は「特別なスキル」ではなく「前提の教養」になっていきます。
学びが現場で活きるよう、教材や支援の形をともに考え続けたいです。
最後に
建築は、社会の土台です。
そして、設計は、未来を形にする営みです。
テクノロジーは、人を助け、環境を守り、価値を増やすためにある。
この当たり前を、2026年もぶれずに大切にしていきます。
本年も変わらぬご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
皆さまのご健勝とご発展、そして、より良い建築と社会の実現を心よりお祈り申し上げます。
2026年 元旦
株式会社フローワークス
代表取締役CEO 横関 浩