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VectorworksでBIM設計はできないと思っている人が多い!その2

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3、大手はみんなRevitかArchicad

これには確かにその傾向があります。調査をしているわけではないので、正確ではないですが、周りの感じを見ていると扱う規模に応じて

VectorWorks:小規模〜中規模
Archicad:中規模〜大規模
Revit:大規模

となっていそうです。もちろんVectorworksでも大規模をやったり、Archicadで住宅を設計することも可能なのですが、いくつかの要因で住み分けができている感じです。一つが維持コストの問題。現状では維持コストは

VectorWorks<Archicad<Revit

となっており、Revit は正直、組織事務所でないと導入は難しいコストになっています。なのでそれぞれの維持コストの面から事務所規模合う形で選択されているという面も大きいですね。

噂4、VectorworksはBIMに乗り遅れ将来性がない

この点は問題ないように思います。VectorworksArchitect2019ではかなりのBIM設計対応が進んでおり、機能的には十分使えるレベルにはなっています。今後もBIM機能に注力すると開発元の発言もあり年々高機能化がされています。ただし、日本の設計の仕方とやや異なるインターフェースや表記があったりして、分かりにくい部分があり、そこが改善されるとさらに使いやすくなるとは思います。

噂5、Vectorworksは他のCADに比べるとシェア獲得に積極的ではない

SNSなどのネット広告や、DMの量は圧倒的にArchicadが多いように感じます。それだけArchicadはこれまでVectorworksが持っていたシェアを奪取しようと積極的な戦略に出ていると言えます。その戦略の中で最も顕著なのが教育機関への無償配布です。一度に何十台ものCADを導入する場合、そのコストはとても大きなものになります。左近の教育機関が置かれている状況はそのコストに負担を感じている状態で、そこに無償提供がされるとなると一気にシェアの構図が塗り替えられることになります。

これまでVectorworksは教育機関に対してはOASISという制度を設定して対応してきましたが一台当たり20万円近い(状況により異なる場合がある)費用がかかるので50台なら1000万円弱の費用となります。流石にこの金額をポンと出せる大学はなく、無償提供されているArchicadなどに今その座を次々と奪われています。このままArchicadやRevitが無償で提供され続けると数年のうちにVectorworksの大学におけるシェアが大きく落ち込むと予想されるので、その後は若い人でArchicadが使える人が増えると同時に、順番に事務所等でのArchicadのシェアが上がり、Vectorworksのシェアが下がっていくと考えられるため、有償制度は続けられないのではないかと考えられます。

Vectorworksを使う人たちにこの点は危機感が広がっているので早急に新たな戦略を打ち出して欲しいところです。

もう一つは、Archicadを使う元請けが下請けの事務所に積極的にArchicadを使うように推進している話も結構あります。同じCADソフトであればデータ互換に問題が少なく仕事がしやすくなります。そういう元請けは規模が大きいためシェア拡大に非常に協力的です。なぜ元請けがArchicadを選択するのかですが、Archicadはかなり機能が絞られており、誰もが同じやり方で設計を進めることができるという点があるとのことで、それが逆に重宝がられているとも聞きました。

とは言え、実際のシェアの数量は今なお非常に多くあるというのも事実なので、簡単にVectorworksがなくなってしまうことはないですが、反撃に転じる戦略が打ち出されるといいですね。

それと実際に設計で使い、教えていて思うのはもうちょっと使いやすくすることに注力するだけで「すごく使いやすいCAD」となると思うので使い手の立場に立った改良がされることを期待します(まあそれはどのCADも同じでしょうが、、、)

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